わたし、がんになって良かった。

 

「がんですね。紹介状書くので、大学病院に行ってください」

今になっても忘れはしない。

そして、その台詞を自分が言われるとは思わず、まるでドラマのワンシーンかのような目の前の映像。私の頭上には隕石が落ちたような衝撃だった。

今になっても、私は宣告を忘れることはないだろう。

ただひとつ、今思うことは、がんになって良かった。

それは偽りなく言えるのだ。

 

   ・

 

嫌な予感というものは当たるものだ。私が実家に帰省した時のことだった。知らない電話からの着信。思い当たる電話ではないが私が出ると、いつも行っているレディースクリニックからの着信だ。

「検査結果のお知らせがあるので、直接いらしてください」

それだけを言われ通話を切る。その時点で嫌な予感があったのだ。先日行った子宮頸がん検診である。

数年検診していなかったこともあり、念のため検査をしましょうと言われ軽い気持ち(というより、半ば強制的ではあったため断ることもしなかった)(確かに最近検査してなかったし、という私の気持ちもあった)で検査をして帰ってきた。

そしてその結果、再検査となったのである。

今まで頸がん検診をしたことはあったが大事に至ったことはない。一度引っかかったが、何ヶ月も過ぎると特段先生から言われることもなかったので、今回も再検査になれども私の中では、いつもの結果だろうと思っていた。

しかし。その嫌な予感は見事に当たる。

東京に戻ってきた私が仕事の前にクリニックに寄り言われた再検査の結果。

それは。

 

「がんですね。大学病院を紹介しますから、早急に手術してください」

 

女医の先生から言われた一言で、私は血の気が引いた。

しゅ、手術?

ん? その前に、え? がん? え、わたし、がんなの?

その時の私の年齢は、29歳になったばかりである。

 

 

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ABOUTこの記事をかいた人

藤村 菜生 Nao Fujimura

上京と共に大学進学、アパレルの勉強の途中で美容業界に惹かれ、学生時代からセラピー技術を勉強する。
卒業後、美容部員、エステティシャン、セラピストを経て、ファスティングに出会う。当時、重度の花粉症やハウスダストのアレルギー症状に悩まされていたが、ファスティングをして改善。また、10kgのダイエットにも成功。
その後、婦人系のがんが発見され手術を宣告されたが、ファスティングを取り入れたメソッドを行い、手術をせずにがん陰性に戻した。
現在は、健康でありつつ綺麗を楽しむことモットーにファスティングや食育を広めつつ、日本の「和」の魅力も発信中。
好きなものは、犬、着物、日本酒お寿司、赤ワイン焼肉、京都。